2009年2月27日

グローバルな生産マネジメント

今週の週刊ダイヤモンドの特集は「電機全滅」。日本の電機メーカー全部死んじゃいますよという話だ。何しろ製品の価格下落が凄まじくて各メーカーが苦しんでいる。

一昔前は新興国のメーカーがでてきたから高付加価値戦略にシフトしよう・・なんて言われてたが、この考え方が日本のメーカーを全部スポイルしてしまった。正解は同じ品質ならどこよりも安く作ることor生産は全部EMSに任せること、だった。ひところサプライチェーンマネジメントなんて言葉が流行ったが、それも行きわたって今は生産のマネジメントの方が大事かもしんない。全世界に生産拠点を置いて、労務費や為替、輸送費など見極めながら一番安く作る調整をやりつづけないといけない。

しかしこれはいかにもつまらん話だ。こういうやり方をやりつつも、アップル的なポジションも狙っていきたいとこ。

2009年2月26日

ソニーとオープンイノベーション

日経ビジネスオンラインで「諏訪暁彦の『オープン・イノベーションのすすめ』」ってゆう連載が始まった。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20090220/186793/

この連載中に以下の記述があるが、

世界的な景気後退を受けての今年1月22日の業績修正会見においても、中鉢良治社長が「ソニーの柱である研究開発については、外部の技術を活用するオープン・イノベーションのコンセプトを取り入れる」としているのは、まさに「研究開発で効率を高めるため」だと説明しています。

ソニーの設立趣意書には以下のように書かれている。

会社設立の目的
一、 戦時中、各方面に非常に進歩したる技術の国民生活内への即事応用 
一、 諸大学、研究所等の研究成果の内最も国民生活に応用価値を有する優秀なるものの迅速なる製品、商品化

コンセプトを取り入れるというが、会社がでかくなるうちに忘れてた、てのが本当だろう。

グーグル本

Googleブック検索、米裁判の和解が日本の著作権者にも影響
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/02/25/22572.html

グーグルの収益はほとんど広告だが、本は新しい収益源になりそうだ。
このブックサーチは以下のようにして始まったらしい。

グーグルの「とにかくやってみる」という精神は、世界の図書館の蔵書をデジタル化するというような、同社の最も遠大なプロジェクトにさえ適用されている。あらゆる新プロジェクトと同じく、グーグル・ブック・サーチも決定的に重要な問い—この場合は一冊の本をデジタル化するにはどれくらい時間がかかるかという問い—に答えるための簡単な実験からスタートした。答えを見つけるために、ペイジとメイヤーはベニヤ板に留め金を二本打ち付けて本を挟み、メトロノームを使ってペースを一定に保ちながら、三〇〇ページの本を一ページずつ撮影していった。メイヤーがページをめくり、ペイジがデジタルカメラで撮影するという分担で、印刷文字をデジタル画素に変えるのに四〇分かかった。光学文字認識プログラムがそのデジタル写真をただちにデジタルテキストに変換し、二人は五日足らずのうちにその本を検索できるソフトウエアを生みだしていた。一歩ずつ試行錯誤しながら学習していくこうしたやり方は、グーグルが重要な想定をテストして決定的なミスを防ぐのに何度も役立ってきた。

ゲイリー・ハメル「経営の未来」p.145


ラリー・ペイジはラピッドプロトタイプ精神に溢れる男のようだ。

2009年2月25日

自由豁達にして愉快なる理想工場

「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由豁達にして愉快なる理想工場の建設」というフレーズ、これはソニーの設立趣意書にあるフレーズでこれは聞いたことある人も多いだろうが、全文を読んだことがある人は少ないのではなかろうか。
ここに全文がある。
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/prospectus.html
カタカナで読みにくい。こちらにひらがなに直したものがある(全文ではない)。
http://www.internship-soken.com/04/back_numbers/00013.html

印象深い部分がいろいろ。たとえば

 其れは先づ逓信院、運輸省等の通信に関係ある官庁の活溌な動きに見出された。即ち全波受信機の一般への許可民間放送局の自由開始、テレヴィジョン試験放送或は戦災通信網の急速なる復興、意図とその綿密厖大なる諸計画の発表等他の低迷困惑せる諸官庁の中にあって一人水際立った指導性を示し一般業者側が逆に牽引されたかの感を呈したのであつた。


機敏に動く役所などというものが存在したのか。
この趣意書に書いてることが守れてれば今よりソニーはましだったろう。

最近よく思うことは、金融焼け野原に井深大が現れたら何を始めるだろうかってことだ。

2009年2月20日

パラノイドだけが生き残る

以下のインテル会長、クレイグ・バレット氏のインタビューが面白い。
http://www.gizmodo.jp/2009/02/core.html

我々は今も、アンディー・グローブの描いた「パラノイドだけが生き残る」というシナリオ通り、経営している。だから競争は何時どの方角から飛んでくるか分からないと、パラノイア(被害妄想)を持つ傾向があるんだ。
(中略)
ちょっと分析したら君もわかると思うが、年とればとるほど人は普通コンサバになって、ムーアの法則なんて本当は起こらないんじゃないか、と心配し始めるものなのだ。だがね、そこに頭の切れる若い才能を持ってきて、こう言ってやるのさ。「おい、そこの頭の切れる若いの。俺たちはこのご老体だが、ムーアの法則をこの40年ずっと守り通してきたんだ。台無しにするなよ」。するとなんせ頭がいいから、なんとかなるんだよ。

この切れ者の会長は5月には退任して開発途上国関連のプログラムに力を入れるようだ。
http://www.computerworld.jp/news/trd/135549.html

ノキアの時代

ノキアリサーチのヘッド、Henry Tirri氏のインタビューが以下にある。

http://conversations.nokia.com/2009/02/19/head-of-nokia-research-video-interview/

インタビューのビデオがあるが、その内容は以下の通り。


去年、IT関係の研究所に関する大規模な調査をやった。

グーグル・・リサーチャーはいるがリサーチじゃなくて開発に従事してる。
IBM・・純粋なリサーチからずいぶん開発にシフトしたが、まだ純粋なリサーチも残ってる。
アップル・・リサーチは全くなし。

それぞれの研究所は、それぞれの時代を持ってる。

コミュニケーションの時代—ベル研
ソフトウェアの時代—マイクロソフトリサーチ
ワイヤレスインターネットの時代—ノキアリサーチセンター

今はわれわれ(ノキアリサーチセンター)の時代だ。


ノキアの時代ってのは確かにそう思う。

ベル研究所の衰退の悲劇
http://www.icr.co.jp/newsletter/topics/2006/t2006K005.html

マイクロソフトはどうなるんだろう。やっぱみんなソフト買わない時代になってくるからそのうち衰退してくだろうか。

じょうは・・沸騰都市シンガポール

昨日のNHKの「沸騰都市」のシンガポールはなかなかおもしろかった。シンガポールがあたかも一つの企業のように振る舞っていて、たとえばバイオポリスなどという研究施設があり世界中から優秀な研究者をスカウトしてるとゆうことだった。

番組を見た限りでは、研究はたしかに進むかもしれないが、果たして産業が起こるかどうか疑問に思っていた。そのへんの懸念は確かにあるようで、たとえば以下のような記事がある。

バイオポリスの興行成績は玉石混交といったところだ。5億シンガポールドル(3億4,000万米ドル)を投じ、7つの建物で構成する複合施設は有名科学者と契約し、数多くの論文を生み、複数の多国籍企業や国際的レベルの大学の付属機関の誘致に成功した。しかし、技術移転による目立った収益はまだ生み出していない。
(中略)
科学スタジオの経営者はバイオポリスの基礎研究重視の姿勢に、少なくとも特許や製品が比較的少ないことに苛立ちを募らせているようだ。

http://natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=136

国による中央研究所みたいなもんか。

ただ、以下を読んで少し印象が変わった。
http://square.umin.ac.jp/acst/colum-may.html
研究所を作るつもりではなくて、研究所を要素に含む生態系を作るつもりでやるんであればうまくいくんではないかと思う。

ロボット市場予測の嘘

非産業用ロボットの市場予測でたらめじゃねーか!という論文が面白い。いろいろな市場予測を比較している。

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以上の論考とデータに基づいて,筆者は「近い将来,非製造業分野の次世代ロボットの市場規模が飛躍的に拡大し,産業用ロボットの市場規模を上回る」という,一種の通説となっている予測を否定する.対抗予測として,「非製造業用分野における次世代ロボットの年間単体売り上げの合計は2013年の時点において1000億円を上回らず,製造業分野の産業用ロボットよりはるかに小さい市場規模のままである」という予測を立てる.

次世代ロボットに関する市場調査・市場予測の比較と分析
http://staff.aist.go.jp/h.arai/robotics/rsj08.html

学術的ロボット研究の問題点について
http://staff.aist.go.jp/h.arai/robotics/jra03.html
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民間の予測としてたとえば次のものがある。
http://robonable.typepad.jp/trend/2008/03/200620-bca1.html
しかし無責任な市場予測もあったもんだ。