MITメディアラボと大川センター

 2002.5.1 中村伊知哉

 MITメディアラボは1985年に設立以来、ニコラス・ネグロポンテ所長、人工知能のマービン・ミンスキー教授、学習分野のシーモア・パパート教授らに率いられ、デジタル技術やメディア表現の分野で、世界の最先端を開拓してきました。
 最近では、ウェアラブルコンピュータやデジタルトイのメッカとして紹介されることが多くなっております。また、MIT大川センターの設立など、研究をさらに拡張するためのプロジェクトも精力的に進めているところです。

1. メディアラボ 3つの特徴

 @ 研究領域の広さ
  ・デジタルの関わる総ての領域をカバー
    ●アトムとビットの結合:デジタルの物理学、デバイス技術、ネットワーク技術・・・
    ●アート、表現    :グラフィックスデザイン、音楽、出版、テレビ・・・
    ●こども       :学習・教育、オモチャ、ゲーム・・・

 A 企業との関わりの深さ
  ・産学連携のモデル:150の企業・政府機関・国際機関がスポンサー
  ・スポンサーは知的所有権を無償で使用可能−非スポンサーには非公開が原則
  ・3つのコンソーシアムと7つ個別テーマグループで構成。

●企業コンソーシアム
 1) Digital Life (DL)       デジタル技術による新しい生活様式の提案
 2)Information Organized (I:O) 未来のニュース:情報の収集、伝達、編集、表現手法
 3)Things That Think (TTT)  洋服や靴などモノのコンピュータ化とネットワーク化

●個別テーマグループ(Special Interest Group)
 1)Toys of Tomorrow (TOT)  未来の玩具:玩具や遊びとDigital技術
 2)Broadercasting       Digital技術を利用した新しい放送手法の開発
 3)CC++            自動車分野へのDigital技術の応用
 4)Counter Intelligence     台所を中心とした家庭内でのデジタル技術の応用
 5)Gray Matters        高齢化社会に向けたデジタル技術の研究
 6)Peny PC         小型、安価なコンピュータ、センサデバイス研究
 7) E-Markets        電子商取引、MITSloanスクールとの共同Project

 B 常に変化している点
  ・私の説明も明日には変わる?


2. 大川センター

 ●こどもに関する研究領域を独立・拡張させるもの
 ●この分野としては世界最大級の研究機関として2004年にオープン
 ●槙文彦氏が設計を担当
      
   詳しい建物プランはこちらをクリックして下さい。





★参考
  CAMPについて

  ・CAMPは、MIT大川センターの日本版をめざして2002年に設立されました。
   詳しくはこちらをクリックして下さい。



MIT「大川センター」の設立

98.11
MITメディアラボ客員教授
中村伊知哉

 マサチューセッツ工科大学(MIT:チャールズ・ベスト学長)は、ジュニアサミットユ98の場において、未来の子供とメディアに関する研究機関「大川センター」を設立すると発表しました。

 これは、CSK/セガの大川功会長が私財2700万ドルをMITに寄付したことから現実の運びとなったものです。日本人による米国への寄付としては過去最大級とのことです。

 現在、MITメディアラボ(ニコラス・ネグロポンテ所長)では、シーモア・パパート教授、ミッチェル・レズニック教授らを中心に、メディアと教育・学習に関する先端的な研究を進めております。

 大川センターは、メディアラボと密接に連携しながら、これらの研究を引き継ぐとともに、テレビやゲーム等の映像メディアと子供との関係など、子供とメディアに関するあらゆる領域をカバーした世界最先端の研究を進めることにしています。

 各国から教授・研究者を募るとともに、関連機関とネットワークで連携していく計画です。世界中の子供たちとも共同で研究していくことになります。


1 概要
 ●名称    大川センター :The Okawa Center
 ●研究内容  未来の子供とメディアに関する研究
 ●場所    MIT内:メディアラボに隣接して施設を建設する予定
 ●規模    約1万2000平米の予定
 ●開設時期  2003年の予定

2 経緯
 ●情報通信サミット(G7)  95年2月:ベルギー・ブラッセル
  ・ 米ゴア副大統領、EUサンテール委員長、橋本通産大臣・大出郵政大臣
   らが参加したG7の場で、大川会長が「ジュニアサミット」の開催を提唱
 ●第一回ジュニアサミット  95年11月:東京
  ・ 日本国郵政省、世界の産業界、学界の協力のもと実現
  ・ 世界20か国から12歳から18歳までの41人の子供たちが参集
 ●第二回ジュニアサミット  98年11月15日〜21日:ボストン−MIT
  ・  MITメディアラボがホスト
    139か国3000名によるオンラインフォーラムを経て、54か国100名の子供が代表として出席
  ・ 11月21日(最終日)、これらの取組を永続させるための研究機関として、
    「大川センター」を設立することをMITが正式発表


大川センターに関する報道資料